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quantum-kittens
GitHub Repository: quantum-kittens/platypus
Path: blob/main/translations/ja/quantum-machine-learning/introduction.ipynb
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Kernel: Python 3

はじめに

機械学習は、データのパターンを見つけることを目的として成功した学際的分野としての地位を確立しています。量子コンピューティングの登場により、量子力学の原理を使用して機械学習を強化したり、またその逆といった興味深い研究分野が生まれます。このページでは、近い将来の量子機械学習の刺激的で急速に変化する分野を垣間見ていきます。

機械学習(ML)

量子機械学習に飛び込む前に、機械学習の概要を見てみましょう。目的に合わせて、機械学習は教師あり学習、教師なし学習、強化学習の3つの分野に大別できます。

量子機械学習の分野

教師あり学習

教師あり学習の抽象的なイラスト

ラベル付きデータ (xi,yi)(x_i,y_i) のタプルが与えられたとき、f:xyf: x \mapsto y にマッピングする関数を学習することを目的とします。たとえば、猫や犬の写真がラベル付けされた集合があれば、新しい猫や犬の写真を識別することができます。

教師なし学習

教師なし学習の抽象的なイラスト

ラベルのないデータセット(xi)(x_i)が与えられた場合、データの構造を学習することを目的とします。例えば、映画の視聴履歴に基づいて視聴者をグループ化して新しい映画を推薦するなどが挙げられます。

強化学習

強化学習の抽象的なイラスト

行動に基づいて報酬が与えられる環境下において、期待される報酬を最大化することを目指します。例えば、パックマンのプレイ方法をアルゴリズムで学習するなどです。

量子機械学習(QML)

量子コンピューティングと機械学習を組み合わせるには 4 つのアプローチがあり、データが古典*( C )か量子( Q )か、またはアルゴリズムが古典( C )か量子( Q )*かによって区別されます。(参考文献 1 より)

この文脈では、量子データセットとは、量子ビット相互作用の測定などの自然または人工の量子系の観測から構成され、古典的なデータセットとは、時系列、テキスト、または画像などの古典系の観測から構成されます。

QMLアプローチ

アルゴリズムのタイプ

データの種類

CC

CCは、古典コンピューターを使用して古典データを処理することを指しますが、このレコメンデーションシステムアルゴリズムなど、量子コンピューティングから触発されたアルゴリズムを使用します。

CQ

CQは、量子機械学習アルゴリズムを使用して古典データを処理することを指し、この章で焦点を当てます。

QC

QCとは、古典機械学習アルゴリズムを使用して量子データを処理することを指します。これは活発に研究が進んでいる分野であり、量子ビットの特性評価制御読み出しなど、量子コンピューティングの多くの分野で使用されている古典機械学習アルゴリズムがあります。

QQ

QQは、 量子機械学習アルゴリズムを使用して量子データを処理することを指します。これは興味深いトピックですが、まだ初期段階です。

クイッククイズ

このコースで焦点を当てる処理は...

  1. 古典アルゴリズムを使用した古典データの処理

  1. 量子アルゴリズムを使用した古典データの処理

  1. 古典アルゴリズムを使用した量子データの処理

  1. 量子アルゴリズムを使用した量子データの処理

QCアルゴリズムには、データを重ね合わせてアクセスできる量子ランダムアクセスメモリ(qRAM) を必要とするものと、そうでないものの2種類があります。qRAMを用いたQMLアルゴリズム(例: qPCAqSVMqClustering)は、従来のアルゴリズムと比較して指数関数的に高速化されますが、qRAMを実現するハードウェア候補は現在のところ存在しません。

最近、機械学習へのCQアプローチで注目を集めているほとんどのものは、現在の量子デバイスで実行できる近い将来のアルゴリズムにあります。古典機械学習技術は、十分に強力なハードウェアが利用可能となったことで、過去10年間で大きな進歩を遂げました。おそらく、量子ハードウェアの登場は、この分野でのさらなる進歩を可能にするかもしれません。

この分野は、世界中の研究チームによって現在も非常に研究が進められている非常にダイナミックな領域であり、混乱を招く用語や表記法があることも含め、まだ多くの未解決の問題があることに注意してください。このコースでは、可能な限り一貫性を保つように努めますが、概念が異なる名前で参照されている場合、または異なる概念が互いにどのように関連しているかについても指摘します。

参考文献

  1. Vedran Dunjko、Jacob M. Taylor、Hans J. Briegel、 Quantum-Enhanced Machine Learning 、Physical Review Letters 117(13)、130501(2016) doi:10.1103 / PhysRevLett.117.130501 arXiv:1610.08251